- ナノ -

如月響也×氷渡貴史

見つめる先にいる男が一心不乱に視線を向けるその先を見た途端、眉間には意識せずとも皺が寄った。俺の表情になんか気付くこともない目の前の、正しくは俺の一列前に座る男の横顔から見てとれる感情は羨望と、少しの恐怖。俺を見ることなんてしないあいつ、今日もまたステージの奴だけを意識のもとにいれるだけ。