- ナノ -

寿嶺二×神宮寺レン

共犯者。その言葉がしっくり合うのは彼しかいない。ふと目があったときに悪戯に片目を瞑る仕草は彼を取り巻く雰囲気とよく似合っていて、とてもとても、彼は自分の魅せ方を知っているのだと思える。手を伸ばした先に捕まえることのできた銀色の男の子。「お似合いだよ」と口許を楽しげに歪ませて言った彼に返した表情は彼専用のそれ。「ありがと」唇の形だけで伝えた感謝の言葉。彼の耳に届くことはなかったはずなのに、ぼくのその言葉は彼を笑顔にさせたものだから少しだけ驚いた。親愛か恋慕。その狭間のなかで揺れる彼と出会ったぼくだけど、きっと彼はぼくの気持ちも読めていたんだろう。だって彼は聡明な子だから。ぼくと同じ、似た人間だからこそ。そうだ、今度彼をデートに誘おうと思う。ぼくの大事な銀色の男の子はきっと快く見送ってくれるから。その時はそう、彼との惚気をたくさん聞いてもらおうか。