- ナノ -

寿嶺二×黒崎蘭丸

おまえの気持ちが分からないと言えば目の前の男は眉を下げて笑う。ぼくも分からないや。そう言って手を伸ばす、それを払うことはしない。握った指先は温かい。当たり前だ、こいつもおれも、生きているから。だから分からないし、だから、分かろうとする。違えのか、嶺二。