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仁王雅治×切原赤也

先輩せんぱい、そう呼んだって仁王先輩は一向に振り向いてくれやしねえ。どうしようもなくつまらなくなって、いや半分は寂しくなって。その背中にぎゅうって抱き着いてみた。体温低過ぎだろ、そうぼんやりと思って俺の体温を分けるようにぎゅうぎゅうに擦り寄れば。不意に髪を撫でた手は仁王先輩ので。首だけで振り返った先輩は珍しく、なんも裏がない笑顔を見せてくれた。