- ナノ -

寿嶺二×黒崎蘭丸

「ひゃ…あ、あぅ…やめっ」
「ふ、…んぅ」
 抱きてぇ、って言ったらこいつはどんな表情をするのか。おれがゲイであることをカミングアウトして、無理矢理に嶺二の腰に跨がって身体を重ねてからなんだかんだあって。今こうして恋仲、と短絡に言っていいモンなのかは分からねえがそういった間柄に落ち着いた。妙な情が芽生えたのは果たしてどっちからだったか、そんなことを考えたところで答えなんざ寄越されるはずもないから考えることは早々に放棄する。跨がって内壁に嶺二の性器がぶち当たる感覚が快感となって精液を吐き出して。中の襞が嶺二のでかさを知り尽くしたとばかりにぴたりと張り付く様はもはや滑稽とでも思える。ずちゅ、ずちゅ。ケツから響く体液と精液とがかき回される音は何度聞いても飽きはしなかった。
「あ、やぁ…らんま、る……もっ、むり…あんっ……っはぅ」
「っは、なさけねえ…なっ」
 言うと同時に中を締め付ける。中に感じる嶺二の性器が質量を増して精液を吐き出す感覚にぶるりと内腿が震えるのが分かって思わず舌舐めずりをした。熱い液体が注がれる瞬間はいつだって喉を反らして受け止めて、中に吐き出されながらも嶺二の腹に両の手のひらをついて腰を上げては下げて、上げては下げてを繰り返してやった。
「っは、…も、……むりぃ…やぁ…あッ」
「…ん、ぁ」
 唇から溢れる熱の篭った吐息が素直に愛しいと思う。女みてえに喘ぐ嶺二の姿に下腹部は痛いくらいに張り詰める、バイの奴らと違っておれの性的興奮を煽るのは男だけだ。でも今こうしておれの下で喘ぎ泣く嶺二を見ていたら征服欲が満たされる気すらしてきて口の中に溜まった唾液を無意識に飲み込む。おれは突っ込まれる方が好きだった、でもこいつを見てると抱きたいと感じることが何度かある。次は媚薬でも盛って抱いてやろう、ああでもやっぱり嶺二のを飲み込みてえ。双頭ディルドでも買ってこようかと、頭に浮かんだ今後の計画におれの喉が再度上下した午前2時34分。