- ナノ -

土岐蓬生×榊大地

月見とる?榊君は。耳元で聞こえる声に倣って窓の外を見れば確かに月が輝いていた。場所は違えど同じように見えているんだな、なんてそんなことを呟こうものなら電話越しに居る土岐は喉で笑うんだろうと容易に想像がつく。それでも、言わずにはいられなかったのは少し、恋しいと思う気持ちがあるからなのか。