- ナノ -

志摩柔造×志摩金造

「柔兄、」呼び掛けと共に襖を開ければ、柔兄は眠た気に目を擦りながらも「どないしたんや」て、いつもと変わらへん笑顔で俺を迎えてくれはった。雨音で眠れへん、なんて。こないな歳でアホちゃうかて思うけど。「しゃあないなあ」こないな風に柔兄が頭を撫でてくれはるから、俺はいつまでも柔兄に甘えてまうんやと思う。