- ナノ -

土岐蓬生×榊大地

なんや結局榊君たちが優勝なんやね、と。背後に立つ土岐からの言葉に振り返ったことを激しく後悔した。もう夏は終わりだということがまざまざと分かるような夕焼けを背後に立つ土岐はこれまでと変わらない底の読めない笑みを浮かべている。榊君とのやり取り、楽しかったんよ俺。呟かれたそれに俯いていた顔を上げれば。あんたさえ構へんのやったら、また相手してくれへんかなあ、なんて。悪戯げに笑う土岐に携帯を投げ渡した、そんな夏の終わり。