- ナノ -

土岐蓬生×榊大地

寒い、と。吐いた息が白い蒸気となって消えていく様を見ながらただ漠然と思う。不意に伸ばした手は何かを掴むなんてことはないけれど、何故か、不意にその姿を柄みたいと。携帯のフラップを開けて表示されるのは年明けまであと十日弱との日数。次会えるのは、そこまで考えて携帯を閉じた。