出会い系サイトでカイジと会う@

「カイジさん、こうゆうの興味あります?」

「な、なんだそれっ…」

カイジにスマホの画面を見せると佐原はニヤニヤしながらマッチングアプリですよ!と言った。

「それがどうしたんだよ」

「いやぁカイジさん彼女いたことなさそうだしいいかなーって!」

佐原は女の写真を見ながら器用に横スライドしていた。確かにカイジは毎日寂しさを覚えていた。アルバイトでのショボい給料に加え、彼女もいないなんて寂しさ疎か虚しさも感じる。佐原に流されるままカイジはアプリを入れ、設定などは佐原に全部してもらった。

佐原とは別れたあとアプリを起動してみた。「ドライブ、お酒大好き!都内で出会える方いますか(^^)」「一緒に美味しい物食べてくれる方募集!」などカイジにとって容姿も好みではなく馴染めなそうなタイプだった。

順調に横スライドしていく中可愛いと思える子が現れ、カイジは震える手でハートマークを押してみた。

「…〇〇ちゃんか」

もし会えるのなら会ってみたいと期待をし、目を閉じた。


「カイジさんおはようございます!」

「あぁおはよう」

「アプリ、どうっスか?」

佐原は興味津々に伺う。

「この子、いいかなって…」

「えぇー!こうゆう子は写真と違うかも知れないから危ないッスよ」

今は加工が主流ですからねぇーと佐原は制服に着替えながら言った。そんなこと微塵も考えてなかったカイジは写真を凝視してみた。

その瞬間ピコンっと着信音が鳴った。なんと〇〇ちゃんからのメッセージだった。

「あれ?メッセージ送れるってことはこの子もカイジさんのこといいね押したってことッスよ!」

「えぇっー!?」

「どんな子か知らないっスけど会えるといいですね!」

メッセージの内容は「いいねを押して頂きありがとうございます!あなたの名前がクズ人間さんなんですけどなんてお呼びしたらよろしいですか?」との内容だった。クズ人間って名前は佐原がふざけて登録した名前で、カイジは気づかないでいた。

「ごめんなさい、友達が勝手に登録したみたいで…。カイジって呼んでください。」

と送った。それからカイジはバイトの暇な時、休憩中、家に帰ってからの手が空いた時間には〇〇ちゃんとメッセージのやりとりをするようになった。どうやら〇〇ちゃんも結構ギャンブルをやるみたいで今度一緒にパチ屋に行きましょう!なんて言ってくれた。カイジは女の子とこうやってメッセージのやり取りを続けたのは初めてだったので毎日がドキドキしていた。

「カイジさん、いつ空いてますか?お会いしてみたいです」

やり取りして2週間後、ついにこのようなメッセージが届き、カイジは胸を躍らせた。2人で話し合い、予定を決めて3日後会うことになった。

「えぇ!水曜に会うんですか?」

「あぁっ…マジだ」

「写真通り可愛い子だといいですけどねー」

「…容姿とか関係なく俺は〇〇ちゃんのこと気になってるから」

カイジが耳まで真っ赤にして呟いていた。それを見て佐原はカイジが初めて恋愛のことを口にしてるのを見て唖然としてしまっていた。

「カイジさんってそんな顔するんスね…」

うるさい!と真っ赤な顔で佐原の背中をバシンっと叩き、制服に着替えたカイジは仕事場に向かうのであった。


3日後、待ちに待った〇〇ちゃんとのデートの日になった。
カイジはある程度身だしなみを整え、待ち合わせ場所の駅前に立った。女の子とのデートは初めて…ではないが好意の持った女の子とのデートは初めてであり、心臓が破裂するくらいバクバクと音を立てていた。

「カイジさんですか…?」

カイジに声をかけたのは小柄で可愛らしい女の子で、写真で見た〇〇ちゃんその者だった。「おいおい佐原…ほんとにかわいいじゃねーかっ…!」と喜びを噛み締めたカイジだった。

以前メッセージでやり取りをしてた時知ったのだが〇〇ちゃんは上京したばかりで東京のことは何も知らなかったらしい。だからおすすめのお酒が飲めるお店があれば教えてほしいとのことで今日はカイジの行きつけの居酒屋に行くことになった。

道中、カイジの肩ぐらいの身長でカイジについてくる〇〇ちゃんが可愛くて仕方なかった。だがカイジはガチガチに緊張してしまい、中々話しかけられずにいた。
一方の〇〇ちゃんは話しかけてくれるも緊張してるのか目を中々合わせてくれずお互いソワソワしてるようだった。

居酒屋につくとカイジはビールをまず頼んだ。

「カイジさんあたしとそんなに年齢変わらないのにビール飲めるなんてすごいですね」

「ん?そうか?」

「…あたしお酒まだ弱くて。いっぱい飲んだら強くなれますか?」

「個人差はあるけど強くはなるんじゃないかな…」

そっかー…と〇〇ちゃんは頼んだカシオレをグイッと飲んだ。3杯目に到達した時にすでに〇〇ちゃんの顔はほんのり赤くなっていた。

「ところでカイジさんはこのアプリで他の人と会ったりしてたんですか?」

「えっ、いや… 〇〇ちゃんが初めてかなっ…!」

そもそもあのアプリで可愛いと思えて好きって思えたのは〇〇ちゃんだけだったカイジは他の人と会おうなんて何も考えていなかった。
しかし〇〇ちゃんはどうなんだろうか…。きっとかわいいから他の人と会ってるに違いないとカイジは思った。

「そうなんですか!うれしい、あたしもカイジさんが初めてなんですよ!」

「えっ…?」

「メッセージのやり取りは何人かとしてたんですけど、中々会う勇気がなくて…。でもカイジさんとは話も合うしかっこいいから会いたいなって思ったんです」

カイジはまだ酔ってないのに自分でもわかるくらい一気に顔が赤くなった。自分が好意を持ってる人にこんなことを言われたのは初めてだし、何よりも自分以外と会ってないことに安心した。


「おいっ…大丈夫か?」

「んー?大丈夫れすよー」

深夜1時過ぎ、会計を済ませて店を出た。〇〇ちゃんはすっかりベロベロに酔っておりフラフラと歩いていた。こんなに弱かったらもし他の男と飲んだのであればきっと簡単にお持ち帰りされてしまう…と恐怖を覚えたカイジだった。
とりあえず水を飲ませよう、とカイジは自販機で水を買ってあげると〇〇ちゃんは口の端から多少こぼしながら飲んだ。その光景をカイジは少しいやらしさを感じ見ていた。

「カイジさんってお酒強いんですねー。全然酔ってないじゃないですかー」

「いや、酔ってるぞ?寧ろ〇〇ちゃんが弱すぎだろ!」

「えーそうかなー?てかあたしお酒強い人好き!」

そう言うと〇〇ちゃんはカイジの腕に抱きつく。カイジの心臓は爆発しそうだった。腕に〇〇ちゃんの胸が当たっており、柔らかな感触を感じる。このままじゃ俺も何するかわからないっ…!と考えたカイジはとりあえず今日は家まで送ってこうと考えた。

「〇〇ちゃん、家はどこなんだ?」

「送ってくれるんれすかー?」

そう言うと〇〇ちゃんは道案内をした。言われたまま、裏通りを歩いて人気が少ない通りに出た。こんな所に住宅地なんかないだろ…と思いながらも言われた通りに歩く。

「ここです」

〇〇ちゃんはニコーと笑って指さした先はラブホだった。
ちがうだろ!とデコピンをすると〇〇ちゃんは大笑いしてまた歩き出した。

「〇〇ちゃん、真面目に教えてくれよ…」

「カイジさんの家は?」

「そんな簡単に男の家あがっちゃダメだっ…!俺、何するかわかんねーぞ?」

「カイジさんなら何されても…」

え?と聞き返すとなんでもない!とカイジから視線を外した。それからはちゃんと道を教えてくれて〇〇ちゃんのアパートにつくことができた。なんとカイジの住んでいるアパートの隣とゆう超ご近所さんだったのだ。

「カイジさん今日はありがとう!今度は一緒に打ちに行きたいなー!」

「あぁ、いいな!また連絡してくれ!」


〇〇ちゃんが帰った後、ドキドキが止まらなかったカイジは胸の感触と口の端から水をこぼす〇〇ちゃんを思い出して1発抜いた。ティッシュで自ら排出した欲を拭いているとピコンっと通知が部屋中に鳴り響いた。




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