となりの尾形さん(現パロ)

母が疲れた顔で「ただいま」と言って毎日帰ってくる。もう見飽きた光景だが何度見ても「嗚呼、大人になりたくない」と思う。母の職場を覗いたことがあるが偉いんだか偉くないんだかよくわからないおじさんに頭をペコペコ下げていて私はなんだか幻滅してしまったしお父さんは「会いに行くからね」と言ったきり会いにこない。大人は嘘つきだ。

だけどとなりの家に住んでいる尾形さんは違った。大人だけどきちんと自分を持ってて物知りで優しい。それにいつも困ってたら相談に乗ってくれる。尾形さんの低く心地良い声がとても落ち着く。私のあこがれだ。

ある日私は突然母親と母親の交際相手がまぐわってる様子を見てしまった。動物的な気持ち悪い動き、だらしない声、よくわからない液体。全てが汚かった。私は咄嗟に走って逃げ出して尾形さんの家のドアを開けた。

「尾形さん」

いない。いつもならこのソファーで煙草を吸っているはず。尾形さん、尾形さんと私は言いながら歩く。テーブルの灰皿を見ると煙草の先には火が赤くほんのりついている。とゆうことはさっきまではいたのかな。でも鍵開けたまま出掛けるなんてありえないだろう。
不思議なことにいつもは空いてない押入れが空いていて除くと地下への階段がある。もしかしてそこにものを取りに行ってるのかも、と地下へ降りる。
あ、あの後ろ姿は


「尾形さん…!?」

私は衝撃を受けた。尾形さんの周りの壁には私の、私にしか見せたことのない裸の私や下着姿の私の写真がたくさん貼ってあった。

「見てしまったか。〇〇、折角だからお前の大嫌いな大人に俺がしてあげようか」




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