けーくんと香水

「けーくんはいい匂いするね」

私はけーくんに抱きつき胸元に顔をうずくめる。クール系の香水の匂いとほんのり煙草の匂いがする。この匂いを嗅ぐと私は安心するので嫌なことがあると毎回やる。最初こそはうぜぇだのしつけぇだの言ってきたが最近はわかっているのか黙ってされるがままになっている。

けれど今日は様子が違って私が落ち着くまで一緒にいてくれなく、振り払ってどこか行ってしまった。もう嫌になったのかな。喉の奥が気持ち悪くなり涙が出そうになった。
シュッシュと音がして私は顔をあげた。けーくんが香水を持ってきて私にかけていた。いつも使ってるやつだ。

「お前泣きそうだな」

「だっていきなり消えたから怒ったのかと思った」

けーくんはため息ついた。私の体からはけーくんと一緒の匂いがしていた。

「なんで香水かけてきたの?」

「お前がこの匂い好きって言うから」

「ありがとう」

けーくんは私に口付けを1つ落とすと私を押し倒した。今度は立場が違って私がされるがままになった。




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