K'とバレンタイン

今日はバレンタインデーだ。テレビをつけるとバレンタインに因んだ番組が入っていて私はぼーっと眺める。私はチョコをあげる相手がいない。本当はいるのだが、その人は甘いものが苦手でチョコをあげれないのだ。

「おい」

そう、このぶっきらぼうに話しかけてきた柄の悪そうな男が私の恋人だ。

「なに?」

「今日あの日だろ」

「なにそれ」

あれだ、とバレンタイン特集を放送していたテレビを指さした。なにそれとは言ったがまぁまぁバレンタインかなと予想はついていた。

「あー、バレンタインがどうしたの」

「アンタはその...くれないのか?」

K'は一瞬にして捨てられた子猫のような顔をして私に言った。

「あげたかったけどさ、けーくんチョコってか甘いもの苦手じゃん?」

「じゃあ他の奴らにはやったのか!マキシマとかに!」

なぜかいきなりキレられてしまった。K'は眉間に皺を寄せて肉食獣のようなめちゃくちゃ怖い顔をしていた。さっきの子猫みたいな謙虚さはどこへいったのか…?まぁ彼がいきなり怒るのはいつものことだからそんなに驚きもしなかった。

「なんでマキシマさんなの。とゆうか私誰にもあげてないよ」

「そうかよ…」

それなら、とK'は私の頭にポンッと手を乗せ、

「オレ、アンタからバレンタイン貰いたい」

と照れなら呟いた。私はわかったよと返事をしてチョコを作る準備をした。簡単に出来るものを選び、完成した物をK'にあげると素直に受け取ってくれた。喜んでる様子だったので食べてくれるのかな?と思った。次の日彼の部屋に行くと棚の上に私が作ったチョコが飾ってあった。食べてくれなくてもこうゆうのもいいかな?と思った。




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