ギーマさんとメンヘラC(pkmn)
ギーマは家に帰った。あの時あの子にはアローラに来た理由を長期休暇をもらったなんて言ったけど本当はギャンブルで大敗して逃げてきたなんて言えないな、と思いため息をついた。
「なんでため息ついてるの?何か嫌なことあった?」
ギーマは全身の毛穴という毛穴が開くほど驚き、冷や汗もかいた。
「や、やあ〇〇」
「アローラ!ギーマさん!」
「いつからここにいたんだい?」
うーんと、おじさんが家に着いた頃からかなぁと言って〇〇は微笑んだ。
「ところで、なんの目的でここに来たんだ?」
そう言うと彼女はキョトンとした顔でこちらを見る。するとみるみるうちにニコニコしてきて
「理由なんてないよ。私はただおじさんのこと好きだから来ただけだよ」
彼女は満面の笑みでそう答える。ギーマは動揺した。今日会ったばかりの人間に家まで来られ、好きと言われ、ちなみに今は冷蔵庫まで見られている。おかしい、この女おかしいと思った。ギーマは怖くなって彼女を追い出そうと試みた。
「君、家に家族はいるんだろ?こんな夜遅くまで遊んでたら家族が心配するぜ?」
「うん、家族いるけど別にそんな心配しないよ。あとおじさんきちんとご飯食べてる?」
見事に会話を変えられてしまった。
「うん。食べてるよ」
「そんなに不健康そうな体じゃ説得力ないよ。私が今晩作ってあげようか?」
彼女はそういって冷蔵庫を漁っているが、あまり食材がないことに気づく。
「無理してつくらなくていいんだぜ?」
「ううん、作るよ。食材買ってくるね」
と言って彼女は出かける支度をしている。ギーマは彼女が買出しに行ってる間家に鍵をかけて入れないようにしてしまえばいいのではと思ったが、確かに自分はずっとまともに食事をしていなく空腹に耐えられないのでやはり鍵をかけるのをやめた。ソファーに寝っ転がってテレビを見る。つまらないメロドラマやバラエティを眺めてるとなんだか眠気が降りてきて寝てしまった。
「ただいまー。あれ?ギーマさん寝てる。」
寝顔もかっこいいなって思いずっと見ていたいと思ったが、見るのをやめせっせと自炊に取り掛かる。