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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -


図書室に着くと、彼の予想通りそこはがらんとして人が全くいなかった。

「こんなに空いてる日もあるのね」

「今日くらいじゃないかな」

「いつもこんなに静かだったらもっと集中できるのに」

「そうだね」

ドーラはいつもの席に座ろうと奥へ進んで行った。入り口からは死角になっているその場所が見えると、突然後ろにいたリドルは彼女の手を引いて強引に振り向かせた。

「っ…何よ」

彼は隠し持っていたチョコレートを彼女の口に入れる。驚いて口元を隠したドーラは無言で彼を睨んだ。

「…要らないって言ったじゃない」

「今はいいかなと思って。もう一粒召し上がれ」

「要らないったら」

ドーラが口を開いた瞬間押し込み、彼女は渋々二つ目のチョコレートを噛み砕く。

「ちょっと味見させて」

彼はにやりと笑いながら彼女の唇に噛み付くように口付けた。ドーラは彼の胸を押して離れようとしたが抵抗は虚しく、リドルの舌が彼女の整った歯列をなぞる。要約離れるとドーラは急いで口を押さえて頬を真っ赤に染めながら視線を逸らした。

「君のおかげでかなり美味しくなったよ」

「貴方頭おかしいわ」

「ありがとう」

「全く褒めてないけど」

「何、もう一回やりたいって?」

「そんなこと言って無…い…わ」

リドルがチョコを前歯で軽く噛んで彼女の唇に触れそうな距離まで近づく。ドーラは目をギュッと閉じて彼の耳の下に手を添え、器用に彼からそれを奪い取った。すかさずリドルは彼女にキスを落とし、二人の間で溶ける甘い味を堪能する。

最初は嫌がっていた彼女もいつの間にかうっとりとした表情になっていた。

「残り六個だけどどうする?」

二人がその後司書に注意されたのはまた別の話…



END

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