「て事でね?私銀ちゃんの事好きだったの!」
「ああ……はいはい」
「ちょっと、聞いてる!?一大事なんだから!」
翌日復帰した(というより無理矢理学校に来させた)総悟に早速報告。
昨日はあれから電話の電源切られてて、報告できなかったんだよね。
「いやあー……まさか銀ちゃんとは……マジで想定外。あっ銀ちゃん来た!」
「そんなバカげた事言ってる暇があるならねィ、」
「バカげてないよ!」
正直銀ちゃんをかっこいいと思ったことは無かったけど、朝のHRで教室に来る姿をみて、よく見るとかっこわるい事もないな、と思った。
「なまえが銀八の事好きとか言ってますぜ土方ァー」
「…ほっとけ」
ありえねェ。
「早くしないと銀八になまえ取られやすよ」
「……うっせぇ」
まじで、
ありえねぇ。
「まさかなまえが銀八に惚れるとはねィ……全く予想外でさァ。」
全く、予想外だ。
アイツは昔(と言っても3年になってからの付き合いだが)から色恋沙汰には興味のないヤツだった。
好きな人の1人や2人いねぇのかと聞いても、返ってくる答えは「いらない」だった。
それがここ数日青春どうこうだとか言い出したと思ったらこの様だ。
俺は大きくため息をついた。
「総悟今日も日直だろ?」
「そうですねィ」
「先帰るわ」
「近藤さんは?」
「あれだ」
俺の視線の先には相も変わらず志村姉にアタック(という名のストーカー)を続ける近藤さんの姿。
「土方コノヤローもあれぐらい積極的ならねィ」
「…何か言ったか?」
「何もー」
総悟はヘラッと笑うと、なまえの元へと向かった。
笑える。
フラれ続けているのにも関わらずアタックをする近藤さんも、応援するでもなく阻止する訳でもなく俺を罵倒し続ける総悟も、アイツの事が好きなのに何もでなきない自分も、どこか可笑しかった。
笑い色
なにが一番可笑しいかって言うと、
俺なんだけどな
(ああ、アホらし)
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