「こ、こんにちはー」

「やあ、獄寺君」

「名前!!…ってお前どういう格好してんだ!!」

「私が自分の家でどんな格好していようといいじゃないか。確かに今は真っ昼間だけど、パジャマを着る権利が私にはある。…ところで獄寺君は遥々私の家に遊びに来てくれたのかな?」

「ち、ちげえ…たまたま近くを通ったから寄っただけだ!!」

「なるほどねー。ま、とりあえず上がって上がって〜」

「お、おう…」







「で?」

「あ?」

「あ、じゃないよ。何か用があったんじゃないのー?たまたま近くを通ったからって何も用ないのに私の家まで来たりしないよね?」

「…」

「何も言わないと分かんないゾ☆」

「……」

「おーい」

「………んで…」

「ん?」

「何で今日学校休んだ?」

「さあねー。なんでだろー?」

「……疑問形かよ…」

「だってぇ〜」

「だって、じゃねぇだろ!!」

「んーとね。朝起きたら体温が異常な数値を示していたから?」

「また疑問形かよ!…って熱?!」

「うん。そうなんだよー」

「風邪ひいたのかよ?!」

「…おそらく」

「まさか、今も熱あんのか?!」

「まあねー」

「今パジャマなのは…」

「…左様。さっきまで寝てた次第で」

「……ッ!!それを先に言え!!」

「なんで?」

「なんでじゃねー!!…お前寝ろ!今すぐ寝ろ!!」

「なんで?」

「だからなんでじゃねー!!とにかく寝ろ!!」









「…しかし意外だな」

「獄寺君が奉仕活動に熱心だとは…」

「は?」

「欠席の生徒がいれば家へ行き、原因を突き止め、そいつが病気と分かれば看病までしてやってるとは…」

「…んなことしてねーよ」

「またまた…実際私のとこに来てくれたじゃん」

「……こんなこと普通しねえ…」

「じゃあ何故今日はしてくれたんだい?」

「…分かんないのかよ」

「全く」

「あー……くそっ………………………







……好きだからだ!」








「な、何が?…あ、ああ。看病するのがだな?獄寺君って意外と看護師志望?」

「違う!!…名前、が、だ」

「あー私が。って…





……………ごめん、もう一度言って?」



「ぜ、絶対言わねぇ…」

「…余りの衝撃に聞き逃しちゃったんだよ。だから、もう一度言って?」

「……言わねえっ…」

「あっそ……そ、そだ!私ね」

「ん?」






「獄寺君のこと好きだよ」

「…ッ!ごめん、もう一度言って?」

「絶対に言わん…っ」

「…そーか」







―もう一度言って?





甘い甘い言葉でした。





20090814 title:ひよこ屋




戻る



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -