「ねー神田ー」

「何だ」

「遊ぼー」

「くだらん」

「えー…」

「相変わらずつれないやつ」

「何か言ったか?」

「なーんにも」






「ねー神田ー」

「何だ」

「髪ほどいてー」

「嫌だ」

「なんでよ?」

「その必要がない」

「あっそ」





「ねー神田ー」

「何だ」

「髪の毛いじってもいー?」

「駄目だ」

「…ドケチ」

「刻むぞ」

「暴力はんたーい」







「ねー神田ー」

「何だ」

「一緒にご飯食べ行かない?美味しい店見つけたの」

「遠慮する」

「なんでよ」

「どうせロクな店じゃないだろ」

「ひっどーい。…このソバ中毒者が」

「六幻!」

「やーごめんごめん。イノセンスはやめよ、ね?」







「ねー神田ー」

「何だ」

「どうしてパッツンなのー?」

「…」

「ねー。どうしてー?」

「特に理由はない」

「えー。つまんない。もっとカッコいい理由ないのー?『パッツンには対AKUMAの力がある』とかさー」

「界蟲一幻!」

「だ、だからイノセンス禁止〜」







「ねー神田ー」

「何だ」

「私のこと嫌い?」

「…」

「嫌い?」

「……」

「…そっか。今まで煩くしてゴメンね…もう話しかけないから」

「……」

「ばいばい」

「……てよ」

「ん?」

「待てよ!!」

「なんで?」

「俺がいつ嫌いだって言った?」

「…え?」

「なんで毎回てめえの下らない話に付き合ってやってると思う?」

「…えと…ヒマだったから?」

「…刻むぞ」

「ぎゃー!……ひ、ヒマだったんじゃないなら何でよ?」

「…いい加減気付け」

「は?どゆこと?意味分かんな、んっ…」

「こーゆーことだ」

「っ…」

「本当にそろそろ気付けよ?」





いい加減気付いてよ。

そろそろ気づいてよ。





それは私の気持ちで彼の気持ち。



2009... title:ひよこ屋




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