企画 | ナノ


理由なんて無い。
ただ、目に留まってしまったから。
少女がいくら逃げようと――そこはもう、「彼」の罠の中。







「ッ…なまえ……!」
「ひ、や、やっ!いやあ…っ!」

白い肢体がびくりと跳ねる。悲鳴を上げるなまえを見つめながら、臨也はうっとりと頬を染めた。しかしそんな表情とは裏腹に、熱は乱暴なまでになまえを突き上げる。
もう気が遠くなるほど凌辱が続いていた。臨也が唇を舐める。

「っん…、あはっ、可愛い、可愛いなあ…っ」
「…い、やッ、も、ゃあっ、…あっ!」
「きもちいい?っね、なまえっ…きもちいい、よね?」
「ひああっ!?」

容赦の無い、行為。それでも臨也が無理矢理飲ませた薬のせいで体の熱は引かない。抵抗していた両腕も、今は力無く床に落ちて震えて。その上縫い留めるように押さえ付けられては、もうなまえには何も出来なかった。床だけがひどく冷たい。

ほんの少し前まではなまえと何の関係もなかったというのに、それなのに。臨也は嬉しそうに嬉しそうに恍惚となまえに語りかける。弱々しく首を振るなまえに幾度もキスをして、流れ落ちる涙を舌で掬う。
――壊されて、しまう。執拗な行為と言葉は、なまえにそう思わせるには充分だった。

「ん、んうー…っん…た、すけ…たすけ、て…っ」
「―っ、はあ…ッぁはっ、大丈夫、俺が…ずうっと、守ってあげる…!」
「ひっ、ぁ、あ…やぅぅ…っ!!」
「好き、好き、…好き…ッ、ん…化物なんかに、渡さない…ッ!」

呼吸ごと食らい付くようなキスの合間に紡がれる、完全に何かが狂った愛の言葉。欲望を漲らせた赤い目が、涙で濡れた視界でも光を放つ。
溢れる涙を掬い取りながら、臨也は蕩けそうな表情でなまえに話し掛ける。

「ん、っ…は、なまえが、イケナイんだよ…?あははっ、俺を、こんなにおかしくさせたのは…っなまえなんだから、さ!」
「ひぅうっ!ん、ゃ…!」
「…愛してる、愛してる、愛してる…っ!」

壊れてしまう。壊れてしまう。
壊されて、しまう。
恐怖に息を詰まらせる。意識はもう保つのが精一杯だった。ここで気を失ったら、きっと、もう。だが思考は快楽と言葉によってぐちゃぐちゃに掻き回されてしまった。なまえの瞳がぐらりと揺れるのを見て、臨也の背にぞくぞくと快感が走る。

「……っ!っ、その眼、最ッ高…!」
「ひ、ゃっ!あ、ぁ…っや、やらあっ…!」
「っ、あ…!」
「いや、や、らめぇっ……きゃう……っ!!」

為す術も無く絶頂へ押し上げられてなまえの体がびくびくと波打った。
涙が伝う頬を臨也が愛しげに撫でる。

「…愛してるよ、なまえ」

キスが落とされる瞬間、なまえの意識は闇に落ちた。
――どうか。目が覚めた時には、全てが夢であってほしいと願いながら。













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