企画 | ナノ


「―っ、っ、はあ…ッ」


乱した息を殺す。俺の抵抗を嘲笑うようになまえが与えた快感のせいで思考には未だに霞がかかって、口を開けばまた情けない声があがりそうになる。
…終わり、だ。もう、終わり…


「あ、臨也。今終わりとか思ってるでしょう」
「は…ぅ、あ…? …ひ…っ!?」
「じゃーん、残念でした。まだ終わりじゃないよ」
「…ぃ、っ…嫌だ…ッ!!」
「逃げないの。だから言ったでしょ?」


――臨也が、「入れられる方」って。
微笑みながらなまえが取り上げたのはグロテスクな玩具。男の性器を象った、自分のものと同じ形をしたそれを見て一気に血の気が引いた。…うそ、嘘だ、そんなの…ッ!
いつの間にか抵抗らしい抵抗も出来なくなっていた。なまえのされるがまま、まるで躾られた犬みたいに。
逃げようと腰を引く俺を押さえ付けながらなまえが笑う。凍りつく程に美しいその笑顔は――俺が普段浮かべているものと、よく似ていた。


「――い…っ!―――!!」


指なんかとは比べ物にならない異物の侵入に全身が悲鳴を上げる。どれだけ声にならない声をあげても強張る脚がシーツを掻いてもなまえの手は止まらない。同性のものの形をありありと俺の脳裏に焼き付けながら、ゆっくりと、ずりずりとなかを押し上げる玩具が容赦なく一点を抉った。


「――やっ!?やあぁあぁあ…ッ!?」
「ね、やっぱり、きもちいいでしょ?」
「あ、ぃ、やだ…!いやだあああ……!!」


首を振ったって快感は逃げない。ぼろぼろ際限無く溢れ出す涙も言葉も気にせずに泣いた。もう俺は狂いそうなのに、なまえの手はゆっくり、どこまでもゆっくりと執拗に玩具を動かす。


「ひ、ぅ、無理、も、無理だからぁッ…やめ…!!」
「………ふふ。嘘つき」
「ひッ…?」


なまえが手を、止める。柔らかな声が耳に触れるほど近くまで降りてきた。
次の瞬間紡ぎ出されたのは――


「もう無理?嫌だ?ふふ、臨也ってば嘘ばっかり。
――だってイっちゃったじゃない。さっき。ねえ、忘れちゃったの?やだやだって散々言った癖に、あんなに可愛い声出してイっちゃったじゃない。きもちいいんでしょ?好きなんでしょう?ねえ。女の子に押し倒されて、無理矢理イかされて、挙げ句こぉんなものまで入れられちゃって――それが、きもちいいん、だよね?」
「…ひ…あ………」


――やめて。――やめてくれ。

もう声も出ない。がくがく震えながら泣く俺になまえは囁き続ける。


「何度だって教えてあげる。何度だってイかせてあげる。
『きもちいい』って、臨也が自分で言うまでね」


そして。
かちん、とスイッチを入れる音が響いた。













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ユキさまリクエスト「『答えはYESか?』の続き」


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