企画 | ナノ


「あは、楽しそうですねえ!」
「………!あ、やッ…!」

甘楽が嫣然として呟く。
なまえが震え出し、押さえられた状態から逃げ出そうともがいた。しかし力の出ない体では逃げられるはずも無く、ベッドの傍らに屈み込む甘楽に怯えることしか出来ない。

「やっ…ぁっ、いや、いやぁッ」
「わあ、スッゴい怖がり方するねえなまえさん。甘楽姉一体何したの?」
「羨…」
「んー?いっぱい可愛がってあげただけですよう?」

妹の言葉に甘楽は微笑んで、なまえの頬を撫でた。ビクリと体を強張らせるなまえに話し掛ける。

「…大丈夫ですか?」
「…ふえ…?」

掛けられた優しい声音に困惑した。甘楽は困ったような笑顔を浮かべて、ゆっくりなまえの髪を撫でる。

「もー、九瑠璃、舞流?駄目じゃないですか、こんなに泣かせちゃ」
「ええー!そんな言い方酷いよ甘楽姉!私たち、まだほとんど何もしてないんだよ?甘楽姉こそなまえさんをいっぱい泣かせて啼かせ、むぐー!」
「黙」
「なまえ、何でそんなに泣いてるんですか?」

繰り返される柔らかい言葉。

髪を撫でる優しい手になまえがボロッと泣き出す。一番怖くて危険な相手なのに、今は縋りつきたい気持ちでいっぱいだった。

「ぅえ、…ふえぇ…っ、ら、って、うそ、うそついたの…!ひっく、しっぽ、さわんないって…い、言ったのにぃ…ッ」
「…ふふ…それで、気持ちよくなって、泣いちゃったんですか?」
「や…もぉやあッ、もぉやらあ…っ!ひく、しんじゃう、の…!おねがい、たすけてえっ」

力無く首を振って哀願した。与えられる快感はとっくになまえの許容範囲を越えている。今にも溶けて堕ちてしまいそうな意識が恐怖を煽って、予想外の優しさに手を伸ばしてしまった。
その様子を見た甘楽は、殊更甘くなまえに囁く。

「……なまえが言うこと聞いてくれたら、ごはん、あげますよ…?」
「っ…言う、こと…?」
「ずう…っとここに居てくれる、って約束してくれたら…ですけどね」

尖った耳にキスが落とされる。なまえは思わず頷きそうになって――どろりと漂う、毒のようなその言葉の意味を理解して、目を見開いた。微笑む甘楽の意図に気付いたのだ。
約束。―――契約?

「やっ…そんなのいや…ッ!」
「…あれ、気づいちゃいました?うーん、飴と鞭作戦失敗しちゃいましたねえ」
「あややや、惜しいねー」
「…姉…如…?」

クスクス笑う甘楽はさっきまでとは別人のように妖艶な色を纏っている。なまえの顔が青ざめた。
人間と悪魔、立場の逆転した契約。そんなことを行ってしまったら、本当に縛られてしまう。
なまえが頷かないと分かった甘楽は少し考える素振りを見せて、ベッドから離れた。
直ぐに戻ってきた甘楽の手に握られた物を見て、小さく悲鳴を上げる。

「ひっ…!や、なに、それ…」
「あはっ…なまえがきもちよぉくなれる、いいモノですよう?仕方ないから…無理にでも言わせてあげますね」
「わあ、甘楽姉ってばえげつないね!でもそこが好き!」

男性器を模した、毒々しい色をした玩具。本能的に逃げようと身を起こしたが、手錠に阻まれる。更に双子にぴたりとくっつかれて、余計に動けなくなってしまった。甘楽が足を割り、玩具の先端を秘所に宛がう。
熱っぽい息を吐き、甘楽はうっとりと告げた。

「んふ…可愛く鳴いて下さいね?」
「…あ、あ、あッ…、いや、そんなの、はいんない…ッ!やらぁぁぁッ!!」

挿入された玩具の質量になまえの体がびくびくと痙攣した。
根本まで飲み込まれた玩具を甘楽がぐちぐちと揺らす。カチリと音がして、始まった震動にただ泣き叫んだ。

「ね、なまえ、きもちいいですよね…?」
「ひああぁっ!や、らめぇっ、うごかしちゃやあああぁぁッ!」
「なまえさん、すっごく、可愛い…んッ」
「…ちゅっ」
「きゃうッ!?や、しっぽ…っ、しっぽだめえぇえ………っ!!」

意識が溶けていく。堕ちてしまう。甘楽が涙を舐め取るそれだけの刺激にも、感覚が悲鳴を上げる。
―――…め…、………もぉだめ…ぇ…ッ

「ふぇ、え…きもちぃ…ッ、きもちい、よぉ…ッ!」
「……あは、ッ…なまえ、何か言うことありますよねえ?」
「ひにゃあっ!!…言うこときくッ、きくからあ…っ!ひっ…ゃああああああん……っ!!」








「…気……喪…?」
「あーあ、いいなーいいなー甘楽姉!なまえさん独り占め!」

くたりと横たわったなまえの横、甘楽は舞流の言葉に答える。

「んふふ、あげませんよう?そうですねえ…まずは、ごはんをあげて――それから、また遊んであげようかなあ!」

くすくすくす。
シーツに散らばった金髪を弄びながら、悪魔より悪魔らしい人間は楽しそうに笑った。




(その1、骨抜きにすること!)









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