企画 | ナノ


「…いざやさん、すき、すきですっ…」


潤んだ瞳が熱を煽る。普段の態度からは考えられないような甘い声で、なまえが鳴いた。

ああ、なんでこんなことになってるんだっけ?思い出せないな、まあいいか。

焦らすように腰を揺らす。響くいやらしい水音に、なまえの頬が赤くなる。
どうしてもからかいたくなっちゃうんだよねえ。


「……ああ、ごめん。聞いてなかった。何だって?」
「い…いじわる…っ!きゃぅ!」
「はいはい…俺が、何?」
「……好き、です…っ」


とろん、なんて擬音語が似合う表情。
甘えるように俺の首に手を回して、なまえは囁いた。


「好き、いざやさんが、大好き…」


いやに積極的。なんだ、こんなことならもう少し早く―以下省略。
普段俺に文句ばかり吐く口から零れる甘い言葉に、ズクリと熱が疼く。


「や…っ!」
「ふうん…知らなかったなあ、なまえがこんなにいやらしいなんて」
「…ふえ…き、嫌いになっちゃ、やだ…」


揶揄の言葉に泣きそうになって首を振る。そう、からかい甲斐があるからいけないんだ。こんなの、飽きる筈が無い。


「…クハッ、安心しなよ。嫌いじゃない」
「…ほんとに…?良かっ…ひゃあっ!」


不意に突き上げるとなまえが小さく悲鳴を上げる。ビクリと震える体。本当、いつものなまえじゃないみたいだなあ。まあ可愛いからいいけどね。

白い手が控え目に俺のコートを掴んでいる。普段の反動のような甘えっぷり。可愛いからいいけどね。
熱っぽい眼から涙が零れる。


「はぁ…っ、あ…!」
「…煽ったんだから、覚悟してよ」
「ん……へいき、です…いざやさん、だから…」
「……ッ」


微笑んで告げられた言葉にぐらり、目眩がした。反則だよそれ。

ゆっくり閉じられる瞳に、誘われるように唇を―――








「……っていう夢を見たから実践しに来たよ」

「帰ってください!臨也さんの変態!」

「ええー!?何ですかそれ羨ましい!ずるい!私もやります!」

「ひっ!?やだやだ、待って、甘楽ちゃ……いやああああ!」



(ああ、可愛いなあ)





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