企画 | ナノ


「良かった。お薬、ちゃんと効いてるね」
「…ぁ…っ、…!」

冷たい指先が身体を撫でていく。その度小さく伝わってくる震えに、なまえがくすくすと笑った。

「…きもちいい?」
「……う…」

からかうような甘い声。
シーツを掴む手に力が入る。たったこれだけで既に熱は広がり始めていて、門田は情けなさに眼を潤ませて唇を噛んだ。溶け崩れそうな意識を必死に繋ぎ止める。
何度も使用した玩具を持て余しながら、なまえが楽しそうに言った。

「今日はね。京平に素直になってもらいます」
「…すなお…?」
「そう。たまには素直になって欲しいなあ、と思って、ね?」
「なに、…っあう、ひあぁ…っ!?」
「だからまあ、一回きもちよくなっておきましょう」

前触れなくぬるりと入ってきた異物に悲鳴を上げる。纏った液体でいつもより冷たい指がなかで蠢き、幾度も嬲られた一点を容赦なく突き上げた。関節が白くなるくらい握った手に力が入り、びくん、と身体が強張る。

「ひぐ…っあああああっ!!」
「やっぱり、早いねえ」
「あ…っひ、っく…」

抵抗も出来ず白濁を散らした。敏感になっている身体には強すぎる刺激に、門田の眼からぼろぼろと涙が溢れ出す。
どろどろに蕩けた頭に、なまえの声だけが明瞭に響いた。熱い涙が幾筋も伝う頬を冷たい手のひらが包み込む。

「いいこだね」
「……なまえ、なまえっ…た、すけ…っ!」
「熱いねえ…まだ足りない?」
「…う…っ」
「きもちよかった?もっと欲しくない…?」

震える門田の眼前に玩具を差し出しながらなまえが囁く。くらくら。涙で歪んだ景色、思考が溶けて混ざっていく。熱い。熱い。熱い。

―きもち、いい…っ


「欲しいんなら、言ってみて」
「………はっ…」
「ね…京平?」
「――っ…きもち、ぃ……っ!だから、なまえっ、もっと、欲し…っ」
「………!」


完全に箍が外れた門田の姿になまえが背を震わせる。ゾクリ、這い上がる背徳感と征服欲。
沸き上がる興奮を隠しきれずに、なまえは恍惚と笑った。


「ふふっ。…ご褒美、あげるね?」



(かわいい忠犬)





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