小説 | ナノ
はあい！お久しぶりの甘楽ちゃんでーす☆今日はお料理教室を開催しちゃいます！用意するのはこの蜂蜜、これだけ！高いやつですけど、まあ貰い物だし細かいことは気にしない！景気よく使っちゃったほうが喜んでくれますよね！え？誰が喜ぶのかって？やだもう！決まってるじゃないですか！
「なまえ、甘いもの好きですよね？」
「？ うん、好き…」
「じゃーん！見てくださいこれ、貰っちゃったんですよう」
「…！ はちみつ…！」
なまえちゃんですようなまえちゃん！いやーん可愛いっ！嬉しそうに目がきらきらって！知ってます？甘いもの食べてる時のなまえってすっごく可愛いんです！ほんとに、もう絶対に誰にも渡さないってくらい――あ、話がそれちゃった。
ええと、それではお料理教室始まりです！手順はたったの二つだけ！まずははちみつを掬います！それから、
「え…？か、甘楽ちゃ、…っ？ぅ…？」
「…あはっ」
なまえちゃんにぺたぺた塗りましょう！はい終わり！塗る場所はお好みでどうぞ！そうですねえ、まずは唇がいいかなあ？えへ、つやつやしておいしそう！
そうしたらあとはもう食べるだけ！混乱してるなまえの言葉も一緒に食べちゃってね！
「へ…？ぁ、や、…ん…っ」
「…ん、ふふ、おいし…」
こうしてちゅーすれば、すぐにふにゃふにゃになっちゃうんですよ！なまえはちゅーが好きですから！ついでにぽすっと押し倒してあげるとなお良し！うるうるしながら見上げてくるなまえがほんとに可愛いの！食べちゃいたい！食べてるけど！
「…食べ物で遊んじゃ、だめ…っ」
「…んふ、遊んでませんよう？だって、ぜーんぶ、食べちゃいますから」
「あ…ゃ、まって…っひゃっ！」
とろとろ。今度はほっぺた！
そういえば！私大発見しちゃったんです！
ケーキだってお菓子だってすっごく可愛いですよね、それで、すっごくおいしいでしょう？だからきっと、可愛いものっておいしいと思うんです！だから、可愛いなまえがおいしいのも当たり前なんですよ！やっぱり私ってすごい！
さてと！世紀の大発見もお伝えしたし、お料理教室はお開きです！なまえはこれから私が食べるんですから、野暮なことしないでくださいね！
あ。それと、今日のお料理、実践なんかしたらどうなるか――分かってますよね？
甘楽ちゃんのお料理教室！
(調味料はだいたい愛情です！)