07.
集会も終わり現在雑談中である。
時刻は8時、誰も帰る気はないようです。
当り前か。お前等の活動時間もっと後だものね。
「おーい!!七緒!!こっちこいよ!」
『はーい。なんですか?ゲンさん!』
私鈴木七緒はすっかり武装に打ち解けました。
「なぁ、七緒」
『何?好誠。明日学校ないけど、酒は駄目だよ?りんごジュースだよ』
せめてお酒は高校生から。
中坊がお酒なんてマスターが許してもこの七緒様が許しません。
「なんでリンゴ―ジュースチョイスしたんだよ?!おかしいだろ!!つかそんなことじゃなくって。俺に言ってないことってなんだ?」
その場の空気が凍りついた、気がした。
は、聞こえてたの??
別に聞かれても問題はなかったけどね。
え、真面目に集会聞いてろよ、シバくぞ??
『あんたに言ってないことなんて山ほどあるわ!!…まぁ、しいて言うなら進路???そうそう。鳳仙学園に進学しようと思ってね』
…ん?
さっきより皆さんの顔険しくない?
更に凍りついた気がするのだけどなんなの??絶対零度にでもするの??−273.15目指してる感じ??
一般で厳ついと言われているお兄さん数十名が一斉に私の方見たのだけど。
めちゃくちゃ怖いよっ!!!!!!!
こっち見んな。
なんで?鳳仙駄目?????
「すまねぇ」
『はい?』
「全部声に出てんぞ。」
『あ。すいません』
「それより鳳仙はやめとけ。あそこはお前が思ってる以上に数段危険なとこだ」
「そうだ七緒ちゃん。悪いことは言わねぇからあそこはやめな」
もしかしなくても龍信さん、美藤のこと言ってる感じ???
『じゃあ鳳仙と鈴蘭だったらどっちがいいですか?』
「いや、どっちもダメだろ。つーか鈴蘭は男子校だ」
『それが鈴蘭でも良いって先生から言われたんよ、私』
「は?ついに頭までおかしくなったかあの担任。」
『んー??もともと共学にする気だったらしいんだけど、女で入りたいって人が居なくて。で、私に白羽の矢が立ったと』
“で、どっちがいい?”もう一度聞くと。
全「どっちも駄目だ。」
わーお。
皆さん仲良いね、さすが武装。
「はぁ。お前なんでその二択しかないんだ?ここらの二大不良校じゃねーか」
馬鹿なの?死ぬの??とでも続けそうな勢いで言われた。
呆れた顔もイケメンですね。
『十三さんもしかして同年代の危ない人のこと考えながら言ってます?』
例えば美藤竜也とか竜ちゃんとかたっちゃんとか(全部美藤竜也なのだけど)。
「ああ」
『私の判断基準として鳳仙には美藤馬鹿兄弟がいる。鈴蘭には三馬鹿トリオが居るってのがあります」
「お前美藤兄弟知ってんのか?」
あっれー??龍信さんの顔が怖いお☆
『…すっごく龍信さんに申し訳ないんですが。竜也と私、兄弟分です』
だからその顔でこっち見んなってば。
こえーよ!!!!!!!!
「なんでまた、そんな。」
やっぱ驚くのね。
あと龍信さん目が怖いです。マジで。
『中1の夏休みの時、たまたま不良に絡まれてたんですけど、私全員伸しちゃって。それを見てた馬鹿が、“俺とタイマンはれって”…まぁ、私が負けたんですけど、その時兄弟分になったんです』
大雑把に説明したがその中に色々とごちゃごちゃした面倒臭い内容があったのだが説明しなくても問題ないだろう。
“面白いでしょ”と、私が言えば
「ぜんっぜん笑えんわ!!バカ!!」
と、返ってきた。好誠のが馬鹿だよ。
「つーかお前好誠のことなんも言えねぇだろ…」
『言えますよ。骨折ってませんもん』
正確には腕の骨一本持っていかれたのだけど。
「そういやぁその頃骨折してたじゃねぇか」
『ふんっ。腕一本なんて折ったうちに入んないわ、ド阿呆』
「お前なぁ…」
「はぁ」
『龍信さん龍信さん。ため息だけつくのやめてもらえません??結構傷付きます。あの馬鹿は見た目と中身を除けばすごく良い奴です』
「それって何も残ってねーよな。」
そうだね、何もなかったね。
『です。だから私的に安全なので鳳仙にするつもりです。まぁ好誠はどうせプーでしょ?』
「確かに高校行く気はねぇが、プーゆうな!!バカ!!ちゃんと働くわ!」
『最近は中卒の働き口が少なくなり、就職しづらいと思いますが』
そこのところどうお考えですか??好誠さんよ。
「なんでそこだけ、顔がマジなんだよ。俺まで心配になるじゃねーか」
ふんっだ。
仕返しよ、仕返し。
こうして私と武装の物語は動き出したのだった。
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