26.
学校に行くと般若顔のお兄さん三人(氏家、勝利、光信)に囲まれた。
なんなのカツアゲ???
「で?昨日何処に行ってたのか5文字以内で言ってみようか?」
『無理だね!』
「ぴったりじゃのぅ」
「ジョーわけわかんなくなるからしゃべんな!!…あ、いや。そのうっせーぼけって面もやめろ」
「勝利は我儘じゃのぅ」
「え゛。俺が我儘なのか?」
「「おぅ」」
つまり5文字以内なら話していいんだろ??
「七緒なんかいつもよかしゃべんなくね?」
『……』
お前が話すなって言ったんじゃねぇか。
……仕方ない。ジョー私の通訳してくれ。
ジョーなら私の気持ちを汲み取ってくれるであろう。
「おぉ、“だってお前等喋んなって言ったじゃん!!”ゆーとるでよ」
「いやそうだけど、ってなんでお前わかんの?!七緒も隣で頷いてんじゃねーよ!」
やはりわかってくれたか。
流石一年の覇者だわ。
「……カッカカ、嬉しいのう」
「は?」
「“ジョーと私の仲じゃん”だそーだ」
「すげーの通り越してもう才能すら感じるなぁオィ」
「つーか五文字じゃなくて良いから自分で話せ」
『ういー』
チッ
という舌打ちも忘れずに。
「オィィイイ今舌打ちした?しました?」
『小鳥の囀りじゃね?』
「センズリ?」
『ぶっ殺すぞゴラ』
女の前で下ネタは厳禁だろ。(たとえ本人が連呼したとしてもだ)
「で?」
『鈴蘭ですねー』
「おーそーか。次からは誰かに言うてから行くんじゃぞー」
『はーい』
「七緒はいい子じゃのぅ」
『えへへー』
見様によっては縁側に佇むおじいちゃんと孫の図だ。
「何こいつ等。俺頭痛くなって来たんだけど」
「お前だけじゃねぇ、俺もだ。」
「だらしねーなお前等。慣れろよ」
『あ、光信ー。明日は武装行ってくるねー』
「…俺でも想像外だったわ」
「想定外じゃねーんだな」
「想定外のが現実に起こりそうでこえーじゃねーか。想定してんだから」
「そういうもんか」
「そういうもんだ」
「でも結局起こっちまうんだから意味ねーよな」
「こいつに限っては何やっても無意味だよな…」
「「「……はぁ。」」」
もう、勝手にしやがれ。って感じですね。
勝手にするよ。
「まぁ…武装の奴らに迷惑かけんなよ。」
『はいですママン』
「誰がだ」
『勝利ん』
「もういやだ帰りたい」
勝利の心は折れそうです。
まだばきばきにはしないでおいてやるよ。
七緒ちゃん超優しい。
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