20.
『で、その間に数枚割った』
「…アイツ鈴蘭だったんだ」
『うん』
『ところで龍信さん。もう大丈夫ですか?』
「…あ、ああ。大丈夫だ」
めちゃくちゃ笑ってましたもんね。
大丈夫だなんて嘘つかなくてもいいですよ、別に怒らないんで。
「俺、先輩を見習いたいです」
『え?どこらへんを?』
悪いけどここは“私みたいになっちゃだめよ”って言うところなのだけど。
「弱い者助けるとことか。自分より強い奴でも立ち向かうとことか」
そんな勇者じゃないよ私。
将五の中で私がどんどん美化されてくよっ!!!!
『駄目だって。私みたいになったら将五が汚れちゃう<』
「自分が汚れてるって理解してる時点でもう救えねぇよ」
『当り前でしょう。正義の味方ぶってる奴ほど汚いことしてるもんなのよ。アンパンマンだってそうでしょ、頭の中に汚いもん詰めてるじゃない。汚いこと考えてるからあんなんになるのよ』
「それはアンパンだァァアア!!子供の夢を汚い空想で汚すな!!」
『汚してるのはあいつでしょ。首のチェンジとか実写でやったら只のホラーだからね。“僕の顔をお食べ”とか脳味噌付きだからね。真っ赤なドロッとしたやつ付いてるからね。あと…』
「それ以上言うな!!俺が悪かったからマジやめてくれ。アンパン喰えなくなる」
「はっ、ざまあ」
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おまけ
「なぁ、あいつってあんなキャラだったんか?」
「この連載始まってあんま経ってないけどはじめとキャラちげーよな」
「中学時代はあんなんでしたよ」
「もっと酷かった…ι」
「ドンマイιι」
「いや。キレると戻っから気ぃつけろよ」
全「「「「…………」」」」
******
おまけそのA
「兄貴―、なんだよこれ。離せし」
十三の手で耳ふさがれてます。
「いやーすまん。ちょっと教育上悪いもんが流れてたからなー」
「…十三」
「…俺は止めねーぞ。好誠にどうにかしてもらおうぜ」
「……あぁ」
今日も村田家は騒がしい。
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