18.

ガチャッ
「将五客か?って七緒じゃねーか。」

『あ、十三さんおかえりなさーい』

「え?知り合い?」

『うん。かくかくしかじかなんだよ』

丁寧に一から教えてあげた。
こういう時にかくかくしかじかって便利よね。

「やっぱ七緒さんってスゲーんすね」

『…いや、何処が?』

「だよな」

『…いや。ホントマジでどこが』

「「知らない風貌の悪い男と初対面で普通に話せてとどめに爆弾落として帰るとこ」」

えー。ハモんないでよ。

いつのまにか着替えて降りてきた十三さん爆笑してるし。
知らない風貌の悪いお兄さん第一号はあなたですよ、十三さん。

『つか爆弾って?』

なんぞ???

「美藤竜也の兄弟分ってことですかね」

「ま、俺等知ってたけど」

「な」

『もしかしてそれも山野辺?』

だって二人に言ってないもん。

「はい」

よーし山野辺覚悟しろ―??どうしてやろうかしら。

「まだありましたよ、確か。えーっと校長の額に頭突きくらわして甲斐って人の停学取り消しにさせたり、山野辺先生と進路のマジ喧嘩して硝子が教室1クラス分割れたりとか。とどめに近くの女子中学生を強姦しようとした同学年の男子3人を屋上でパンツ一枚にして逆タイタニック吊りにした挙句それを写メって近隣の学校にばら撒いたとか。あと…」

『拓海!!それもろ黒歴史!!つーかあんたなんで暗記してるの?!それに硝子の半分は山野辺だから!で、十三さん笑わない!!そのまま電話でゲン兄ィ達呼ばない!!』

…はぁ、ノンストップノンブレスって疲れる。


そして、数分後に再び悪夢をみるのであった。


どわっはっはっはっ!!

「お前、なにやって…ぶはっ!!」

「やべー何回聞いてもウケるわ!!」

「そんなことやってたんか!!カッカッカッカ!!」

上からゲン兄ィ、好誠、鮫さん。龍信さん、源二、玄場、十三さんは笑いすぎて死亡。

『ちょっ。酷くない?なんでみんなして笑うわけ?将五―好誠だけ止めて。首締めれば止まるから。てか、逆タイタニック吊りは玄場と好誠手伝ったじゃん。お前等だって同罪じゃん』

「色々止まるじゃねーか」

『止めようとしてるんだ』

「おい」

「てめーそりゃねーだろ。“ここでこいつ等みたいに逆タイタニック吊りにされるか黙って手伝うか選びなさい。あと解ってると思うけど間違って落とされても文句言わないでね。”って恐怖の二択を初対面で迫ったんだろーが!!」

「え?何お前そんなおっそろしーことしたん?」

『だって最初の一人吊るした時点で疲れちゃったんだもん』

「“だもん”とか可愛く言っても怖えーだけだから」

「なんか次元がちげー。俺等ん時とちげー。」

「違くないっすよ、こいつだけです。俺等だってそんなことしませんでしたよ。窓だって3年間で3枚割ったかってとこですよ。教室1つはちょっと…」

「だよなー」

なんか聞き捨てならないんですけど。

『だから言ってんじゃないっスか。教室は半分山野辺だって』

「なにやったんだよお前…」





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