08.

高校入学式。


あれから数カ月が経ち、仲良かった友達に別れを告げて私は鳳仙学園へ、好誠は無事武装入りを果たした。




もう、なんなの??
入学式終わって教室に居るんだけどさ、なんでさっきからじろじろ見られてるわけ?

皆目付き悪いしハゲだし。……ハゲだし。

「おい。お前名前なんてーんだ?」

おお??
堅の良いお兄さん(同い年)が隣から声をかけてきた。
どうやら隣の席らしい。

ところでほんとに高校生??

『私??鈴木七緒、あんたは?』

「月本光信だ。お前ここが何処だかわかってんのか?」

『知ってるよ??頂点に美藤兄弟が君臨する鳳仙学園。そんでもって幹部以外は皆ハゲの高校』

左から“テメー喧嘩売ってんのか?!”って聞こえた気するけどしらん。
だって実際ハゲじゃんお前等。

「ははっ。オメーおもしれーよおい。これからよろしくな、七緒」

『おうよ光信!!そうだこの後暇??美藤兄弟のとこ行こうと思って』

「は?」

は?じゃねぇよ、ここの頭に会いに行くだけだよ。

『なんか呼び出し食らった。けど場所わかんないし??一人で行きたくないし???光信、あんたつれてってよ』

「はははっ!!お前、そいつ一人に頼んじゃかわいそーだろ。俺も一緒に行ってやるよ、面白そうだし。」

本音が垣間見えてるんですけど!!
てかお前誰????

『えーっと???』

「氏家純だ」

そーか氏家っつーのか。
そーかそーか。

『うん。よろしく、うっじー』

「誰が、うっじーだ!!」

『氏家』

「……ッ、テメー表出ろ!!」

うっじーマジおもろい!!

これは新しい玩具だわ。


その後、どうにか煩い氏家を沈めて二人に連れて来てもらった。


つか今日が入学式だよね????何でお前等そんなに地形詳しいわけ???

どんだけ学校大好きなの??

「おら、ここだよ」

目の前にはでかい、、とにかくでかい格闘技場。

あいつ私のことここに呼んで何すんの。またタイマン???

『ありがと、二人共』



バン!!


え??思いっきり開けましたけど何か??
ちょっとかっこよくね?自分。とか思った。

「ちょっ!!お前、仮にも先輩。ノックぐらいしろよ…」

仮にもってお前。
仮なら余計にノックいらねぇよ。

『いいんだよ、あんま細かいことは気にしないでそのうちわかるから。つーか、竜也!!なんで私呼びだしたの???こっちだって暇じゃないのに!!』

いや、暇なんだけどね。
暇って思われたくないじゃん。


つか二人とも吃驚してお口あんぐりだし、先輩キレたし。

「お前、竜也さんになんて口きいてんだ!!」

「松田やめろ。そいつはいーんだ。俺の兄弟分だし。なぁ七緒」

全「は?」

数か月前に同じような光景見ただよ私。

何度も言うけどこっち見んな。
お前等自分の顔が平均よりだいぶ厳つい事忘れてんだろ。

「七緒さん、七緒さん」

「それはマジですか?」

さっき喧嘩してたのが嘘みたいに仲良いわね。

『そうだね。じゃなきゃ鳳仙こねーよ。それと龍信さんがあんたのことめちゃ嫌がってたよ?』

「それは俺も同じだ。わざわざ報告することでもねーだろ」

そんなの………

『わざとにきまっとろーが』

「テメぇ」

『ねぇゆっきーは?』

たっちゃんは無視なのだよ。
これ以上構うと大変面倒なのでね。

「今日は来てねぇ、明後日にでも教室行ってやれ、喜ぶぞ」

ゆっきー喜ぶとか……ゆっきーマジ天使。

『了解。後、私は勿論一年戦争不参加なんで。…ってなんでそんな残念そうな顔すんの?!!やだよまだ死にたくない』

「冗談だ」

『当り前だ。マジで言ってたら蹴ってたよ』

私の後ろにいた二人に振り返って

『だから、二人共頑張ってね』

と言えば。

「「お、おう。」」

照れくさそうに笑ってくれた。




その後、あたしは帰ったのだけど次の日には学園中にあたしが竜也の兄弟分と言うことが伝わっていた。

あんの、ハゲ共。
いつかシバく。




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