05.

あれから思った以上に会話が弾んだ。
由美子さんに“お話ししてて良いから信介と店番頼むわね”と言われたのもあるだろうが。

「お前マネなの?!!」

『そうですよー、真君に頼まれてバイトのない日だけですが』

「へーあの花宮がなー」

他校に悪名名高き真君で通っているので、信介君からしたら““あの”悪童が頼んだ”というフレーズからして想像も出来ないのだろう。

『にしてもあの秀徳高校でレギュラーとか信介君凄かったんですね』

「それどういう意味だ黄瀬」

『だって東の王者のレギュラーって到底なれませんよ。野球部みたいな見た目してるのに意外だなって……』

「頭か?頭の事言ってんのか??よーしパイン刺すぞ」

『やだぁ怖い信介君』

「思ってねぇこと言うな馬鹿」

ほんとこの短い時間で随分仲良くなったと思う。
こんな冗談まで言えるようになったのだから。
共通の話題があるってすごいね。



その後、木村家で夕飯を頂いて信介君に送って行ってもらった。
部活終りで疲れているのに申し訳ない。

『送ってくれてありがとうございます』

「いや、一人で帰した方が心配だしな」

やだイケメン。
そういうセリフは彼女さんに言ってあげて下さい。






[ 6/65 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]