05.
あれから思った以上に会話が弾んだ。
由美子さんに“お話ししてて良いから信介と店番頼むわね”と言われたのもあるだろうが。
「お前マネなの?!!」
『そうですよー、真君に頼まれてバイトのない日だけですが』
「へーあの花宮がなー」
他校に悪名名高き真君で通っているので、信介君からしたら““あの”悪童が頼んだ”というフレーズからして想像も出来ないのだろう。
『にしてもあの秀徳高校でレギュラーとか信介君凄かったんですね』
「それどういう意味だ黄瀬」
『だって東の王者のレギュラーって到底なれませんよ。野球部みたいな見た目してるのに意外だなって……』
「頭か?頭の事言ってんのか??よーしパイン刺すぞ」
『やだぁ怖い信介君』
「思ってねぇこと言うな馬鹿」
ほんとこの短い時間で随分仲良くなったと思う。
こんな冗談まで言えるようになったのだから。
共通の話題があるってすごいね。
その後、木村家で夕飯を頂いて信介君に送って行ってもらった。
部活終りで疲れているのに申し訳ない。
『送ってくれてありがとうございます』
「いや、一人で帰した方が心配だしな」
やだイケメン。
そういうセリフは彼女さんに言ってあげて下さい。
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