62.
「あー、まじ行きたくねぇ」
『真君、もう少しで着くって言うのに寝言言ってんじゃないですよ。本家で猫被るのなんてほんの一瞬じゃないですか。私なんて既に死刑宣告されてるんですよ??もう長時間お説教コースは避けられないんですよ??まだましじゃないですか。もうストレスは全部合宿中に発散しましょう』
「おいちょっと待て、待って下さいよ涼風さん?!!」
「花宮も“あっ、その手があったか!”みたいな顔すんのやめて?!!!」
夏休みも終盤を迎え、京都合宿です。
まぁ、言わずもがな真君は不機嫌なわけよ。
本家=猫被る=疲れる
こればかりは私にはどうする事も出来ないからね、でも“頑張れ☆涼風ちゃん応援してるよ☆”って言った一昨日の自分は殴りたい。
“まぁ赤司のお説教よりはましかもな、どんまい☆応援しててやるよ”とか。
ブーメランしたわ、倍返しだったわ。
すっかり忘れていたのに、真君酷い。
二人して重い雰囲気を漂わせたまま合宿所へ到着した。
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