03.


「おーやっと来たか。」

『ごめん真君。ちょっとクラスメイトに捕まってて』

「涼風ちゃん久し振りー。うちの制服似合ってんね」

『ありがとう原先輩』

春休みも練習に参加していた為、この面子が既に当り前と化していてあまり新鮮味がないのだけど。

「あーお前等。言ってなかったが涼風、毎日は部活に来ねーから」

「は、え。どうして??」

『バイトしてるので』

「家出たのは知っていたが……バイト始めたのか」

『はい。家賃と学費稼がないといけないのでバイトしてるんです。もうあの人に頼りたくないから』

「……そうか」

“何か困ったことがあったら俺等を頼れよ”と、古橋先輩が頭を撫でてくれた。

先輩の優しさが心に染みる。


『今日はこれからバイトなので失礼しますね』

「頑張れよーー」

『はーい』






[ 4/65 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]