03.
「おーやっと来たか。」
『ごめん真君。ちょっとクラスメイトに捕まってて』
「涼風ちゃん久し振りー。うちの制服似合ってんね」
『ありがとう原先輩』
春休みも練習に参加していた為、この面子が既に当り前と化していてあまり新鮮味がないのだけど。
「あーお前等。言ってなかったが涼風、毎日は部活に来ねーから」
「は、え。どうして??」
『バイトしてるので』
「家出たのは知っていたが……バイト始めたのか」
『はい。家賃と学費稼がないといけないのでバイトしてるんです。もうあの人に頼りたくないから』
「……そうか」
“何か困ったことがあったら俺等を頼れよ”と、古橋先輩が頭を撫でてくれた。
先輩の優しさが心に染みる。
『今日はこれからバイトなので失礼しますね』
「頑張れよーー」
『はーい』
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