30.
俺等は巻き込まれただけだから口を挟める義理じゃねぇが黄瀬妹はずいぶん大変な人生歩んでんな。
所詮は人事。
一応両親に恵まれた俺が何も言う事はない。
言った所でそれは偽善だ。
本当なら聞かなくても良い話ですらあったわけだし。
でもうちのエースの家庭事情だ。
部活に支障があっても困る。
解決できるなら、と思っていたがこればかりは俺等にはどうしようもない。
いつも騒がしい早川ですら口を噤んでいる。
こればかりは黄瀬自身に解決させるしかないようだ。
花宮達は説明するだけ説明して部屋に戻ってしまったし、残っているのは俺等海常レギュラーだけだ。
「黄瀬、これはお前と妹の問題だ、だから俺等は何も出来ねぇ。だけど相談位なら聞けるから俺等を頼れよ」
俺の黄瀬にしてやれることはこれ位だ。
あとはまぁ“がんばれ”とでも言ってやるか。
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