29.


その頃涼風と原はバルコニーに出て風に当たっていた。




「なー涼風ちゃん、なんで俺連れてきたし。花宮でよかったじゃん」

『真君はどうせ説明することになるから置いて来たんですよー』

あ、花宮ご愁傷様。
今頃説明する羽目になっているであろう花宮に合掌した。

『あと、話してる途中で絶対吹き出すだろう原先輩は私の手でログアウトさせました』

おそらく黄瀬涼太のことだろう。
多分笑うわ俺、さっきので結構アウトだったし。

あ、思い出し笑いしそう。

「よくわかってらっしゃるwwwwwwww」


『まったく、少しはポーカーフェイス出来るようにならないと世の中渡っていけませんよ??前髪切ってやろうか』

「それは勘弁wwwwwwでも、涼風ちゃんもポーカーフェイス上手くないよねー。今してる説明だって前俺等に花宮が話した内容だろうし、涼風ちゃん自身聞いてられない位心が穏やかじゃないからじゃねーの??」

ビクッ
『そ、そんなことないです。ちょっと頭を冷やしたかっただけです』

咋に肩震わせた癖に何を強がっているんだか。……ま、そこが可愛いんだけど。

流石に涼風だって鉄の心とはいかないはずだ。

無関係の俺等に話すのと当事者が居る中で話すのとでは全然意味が違ってくるし。

「そーかい。じゃあ」

『ちょっやめてくださいってば!!!髪の毛抜ける!!!!』

「先輩の優しさだよー」

『ぜんっぜん優しくないです!!!』


とりあえず頭撫でててあげよう。






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