22.
……………で、どうしてこうなった。
数十分前に調理場へ行こうとしたら海常の森山さんと笠松さんに出くわした。
なんでも私に用があったらしい。
「黄瀬、俺等の分の食事も合宿中お願いできねぇか??」
『はぃ??ちょっと待って下さい。唐突にどうしたんです??』
ちょっとよくわからないので詳しく説明頂きたい。
「つまり――――」
つまり。海常にはもともとマネージャーが居ないので合宿の間だけ仲の良い女子に頼んだそうなのだが、その女子が体調を崩してしまい合宿に来れなくなってしまった。
急な話で他に頼める人もおらずそのまま合宿へ突入。
一日目はなんとか頑張ったが丸一日動き回った上に馴れない料理をするのは大変なので差し支えなければお願いしたい。
こういう事らしかった。
真君の許可は取ったようで“本人に聞いてくれ”と、言われたらしい。
順番おかしくない???私に聞くのが先じゃない????
『別に構いませんけど。でも涼太に関しては私関係ないので、多分見るや否やブチギレると思いますが止める時はよろしくお願いします』
「ああ」
「それじゃあ手伝うことあったら言ってね」
『了解しました』
絶対何か起こるな。
これ、女の勘とかじゃなくて双子の宿命だよ。
だってなんとなくあいつ怒ってるわ―って感じが伝わってくるもの。
まぁ頼まれてしまったし、手は抜きませんけど。
→
[ 23/65 ]
[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]