21.
しーん。という音が似合う位にこの場は静寂に包まれている。
別に人が居ないとかじゃないんだよ??ちゃんとさっきの面子が揃っております。
『ひ、久しぶりぃ涼太ぁ』
「おい涼風」
あやばい、癖が抜けてないようだ。
真君にも“何してんだお前”みたいな顔で見られたし。
っていうか後ろの二人、咋にブッフォwwwって吹き出すのやめろ。
古橋先輩見習えよ、せめて声出すのやめて私も笑う。
「やっぱり涼風っスか。霧崎のマネージャーとか媚び売ってなったんスか?また」
……は??またってなんぞ。
確かに中学時代はぶりっこだったし厚化粧だったし媚び売っているように見えたかもしれないけどさ。
「涼風が媚び売るとかねーから。つーか中学の文化祭も行ってるじゃん???俺等そーいう仲だし」
原先輩がちょっとフォローに回ろうとしたようだけど逆効果だと思うのね。
「へぇ、遂に男手玉に取るようになったんスか。このクズ女」
ひっでー言われようなんだけど。涼太の中の私って一体どういうイメージなわけ??
「俺と涼風は小5からの付き合いだけど、そんな事も知らなかったのかよ。お前信用されてねぇんじゃねぇの??この駄目兄貴」
真君が無言の私を心配して加勢してくれたけど私別に落ち込んでないからね。
「こんなの妹なんかじゃないっスよ。あんたに何が分かるんスか」
『真君もういいよ。この馬鹿に何言っても堂々巡りだから時間の無駄だから。それじゃあ海常の皆さん失礼します』
そろそろ涼太がブチギレそうだったので(もう遅いと思うけど)逃げるに限る。
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