18.


今回私達が泊まる所は自分で炊事をしなければならない。
まぁ材料は提供されるし施設自体もそれほど汚くないので過ごし易い環境と言えるだろう。




そう思っていた時期が私にもありました。
あの真君ですら苦虫を潰したような顔をしているのだ、仕方がないだろう。

“霧崎第一御一行様”の横に“海常高校御一行様”の文字。
え、ちょっと待ってどういうこと???

海常って涼太の行ったところだよね、え。

確かにちょっと会いたいかなーとは思わないでもなかったけどこういう再会は要らない。

真君もこれに関して知らなかったようだ。


『ねぇ……これって……マジ????』

「そうみたいだな………」

状況に付いて行けていなかった連中も海常の二文字で納得したようだ。

「………ってことは涼風ちゃんまた厚化粧???」

…………すっかり忘れていた。
そうだね、また厚化粧しないといけないわけ???

夏場に厚化粧とかそんな拷問やだけど!!!!!

「それでぶりっことか色々大変じゃねーか??」

「これを機会に素で向き合ってみたらどうだ?」

お前等勝手なこと言いやがって。
ここまで深まった溝埋めるのって結構大変なんだよ。


これには私も本当に困ってしまった。
『どうしよう真君………』

「お前の好きにしろ、と。言いたいところだけどどうせ決められねーんだろお前」

よくわかってらっしゃる。

「ばれない事を祈って素でいれば?『一番テキトーだったね!!!』……じゃあなんか案あるのかよ」

流石真君!!
そこに痺れも憧れもしないけどね!!!!

『わかったよ、それでいいや。ばれた時はどうにかしてくださいませマジで』

「ああ」

「まかせろ」

「ズゴー」

「わかった」

「善処する」

凄い心配だよ。






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