13.
今吉さんの家に向かっている間に隣の少年の自己紹介をしてもらった。(桜井君と言うらしく“すみません”が口癖なんだとか。口癖なんぞ)
勉強会と言っても今回は本当に若松さんの為の会だったらしく今吉さんが頑張って教えていた。
時々何処から取り出したのかハリセンで若松さんの頭をぶっ叩いていたが滞りなく続いていたと思う。
その間私は今吉さんのベッドの上でバスケ雑誌読んでいたけれど。
「おい涼風ちゃん、男の部屋のベッドで横になったらあかんて何ぼ言ったらわかるん??」
『え、男??どこに男の人居るんですか??諏佐さん??』
「そういう時だけドライやなー自分。ちゅーか勉強せぇへんのやったらせめて教えたってや。若松が集中できひんから」
今吉さんに怒られてしまった。
やはりあの奇声ともとれる叫び声は通常運転じゃなかったのか、ごめんね若松さん気付いてあげられなくて。
『はーい、あ。若松さんそこ間違ってますよー3じゃないですlim使ってください』
「お、おおう。……解けた」
「あっとる……ちゅーか涼風ちゃん、これ数Uの問題やけど」
『知ってますよー。真君と一緒に勉強していて解けるようになったんです』
「なんやお前、天才か!!……天才やったなすまん」
「すごいなー涼風ちゃん。俺も教えてもらおうかな」
「うぉおい諏佐!!早まるな」
標準語の今吉さんとかレアだねレア。
『桜井君そこちがうよー6x+4ね』
「はっ、はい!!すみませんっ!!!」
『てか謝らなくていいんだよー』
「すみませんっ!!!」
『………もぅいいやそれで』
可愛いけど面倒な子だなこの子。
っていうかなんでみんなして数学やってんの??理系の集まりなわけ??
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