12.

「なんや涼風ちゃん、いきなし桐皇まで来よって。わしらテスト期間やねんけど」

そうなのだ。
最終手段として桐皇学園まで出向いた。

……背に腹は代えられんよなうん。

『知ってますけどっていうか私らもですし』

「え、なのに暇―ゆうてこっち来たんか」

『そうですよー、勉強する必要ないんで。真君も勉強しないで他校のデータ収集やってますよ。だからかまって今吉さーん』

「花宮も相変わらずやなぁ……。ちゅうか可愛い声出してもあかんでーお前等と違ってわし凡人やねん」

来る前に簡単に内容説明したはずなのになんで今更断るのだ。
……解せぬ。

流石真君の先輩なだけある。

………やっぱり解せぬ。

『す、諏佐さんは頭良いから問題ないですよね?!!』

東大を目指している諏佐さんなら……諏佐さんな、ら……

「ごめんな涼風ちゃん……俺も勉強しないと」

駄目だそうだった真面目さんだった……。

『うわぁああん若松さん!!!私寂しいと死んじゃうんですよぉおおお』

悲しみに任せて若松さんに飛びついてやった。
やったね妙ちゃん

「うぉおおおあああああちょっ涼風!!!!!!わかったから飛びつくんじゃねぇぇえええびっくりすんだろうがぁああ」

うん…ちょっと飛びつく人間違えたかなって思った。
だって耳煩いんだもん。

ちょっと隣の大人しめなお兄さんにしとけばよかったかな。
でも初対面の人に飛びついたら流石に悪いよなこれ……てか誰ですかマジで。

「あーうるさ。ちゅーか若松お前、今日誰の為の勉強会やおもっとんねん」

『勉強会?!なにそれ楽しそう私も行って良いですか??ほんと暇すぎて真君に鬼絡みしたいんですけどあまりに大きな対価を伴うので本当お願いします』

あの時の真君の目は多分一生忘れないと思う。
トップ3に入るレベルで怖かったもの。

「おーええでー。今日は青峰と桃井けぇへんから安心しとき」

珍しく今吉さんが優しかった。

流石に卒業から半年ほど経ったと言っても溝は溝のままなので関わりたくなかったから本当に有難い。

『やったね若松さん!!!』

「うぉおおおだから飛びつくなって!!!!」

「お前等相変わらず仲良いな」



(若松さんのキャラが分からない……)





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