09.

「ほんっとお前涼風ちゃんに甘いよなー」

「っせーよ」

涼風が仕事に戻ったのを確認してから原が話し掛けてきた。

なんでお前は戻らねぇんだよ、休憩時間だからってこっちくんな。

「てかお前に見捨てられたら涼風ちゃん本当に壊れるんじゃねーの??」

ガムを膨らませながらニヒヒと笑っているこいつの表情は見えないが恐らく深い意味はないのだろう。

自意識過剰かと思うが俺が捨てたらあいつは確実に壊れる。

「だろーな」

そんな事をするつもりもないし逆に手放す気も無いが。

「なんでそんな他人事なわけ??」

「あ?実行しねーんだから起こらない事に興味ねーよ」

「やんねーの?」

「誰がやるか」

「ちぇっ、つまんねーの。そしたら俺が優しく慰めて俺しか視えなくしてやんのに」

「お前性格歪んでんのな」

あとここまで独占欲の強い男はそうそう居ないと思う。
………原と二人きりになるの阻止した方がいいか??


もしかしたら黄瀬涼太よりも危険分子なんじゃねーのこいつ。

「ハハッ、ジョーダンジョーダン」

どうだかな。






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