38. [ 41/49 ]
放課後、図書館へ行くと黒子君と会った。
そういえば黒子君図書委員だったね。
『………』
「………」
彼は気付いているようだし私も勿論気付いているが、これは気付かないふりをした方が良いのだろうか??
「あの、涼風さん」
がっつり目が合っていたので私が気付いているのを理解して尚スルーするのではなくあろうことか話しかけてきた。
え、黒子君と初めて話したよ。
『何かなぁ黒子君』
「黄瀬君と青峰君の彼女を別れさせたのは貴女ですか?」
彼の目は真剣で嘘なんかつかせてくれる隙はなかった。
でも、別れさせたのは私じゃない。 自分が招いた種だろう。
『え?違うよぉ。咲子ちゃん達別れて転校する必要なんてあったのかなぁ』
「っしゃぁしゃとっ!!!本当は貴女なんじゃないですか?!!黄瀬君が羨ましいからって最低ですよ」
何に怒っているのか私にはわからないが盛大な勘違いをしている事だけは解った。
フフッ 『何か大きな勘違いをしてるようだからぁ言っとくけどぉ、涼風は涼太に劣等感とか抱いてないよぉ。人を見下して苛めるような彼女持って涼太も可哀相だなぁ。あ、似た者カップルでお似合いじゃなぁいって思ってた位だしぃ別れさせるなんて事涼風がするわけないじゃぁん。っていうかキセキのプレイが嫌だからってバスケ部辞めたのに未だにキセキと仲良くしてる黒子君の方が涼風はわからないかなぁ??』
そこのところどうなの。と、話題転換してみれば“とぼけないでください!!”と逆切れされてしまった。
『とぼけてなんかないよぉ??黒子君が涼風を悪者にしたいのは十分わかったけどぉ。残念ながら別れさせるような下種な真似はしてないしぃ』
そろそろ面倒になったので借りる予定だった本の手続きを済ませさっさと図書室を後にした。
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