「はぁー温泉よかったねー」

『そうだねー。でもどうして二人部屋で梓と同じ部屋なんだか謎なんだけどね―』

「酷いっ!!!!」

温泉は気持ち良かった。
疲れた体に温泉の温かさは最高である。

それにしても立海は私立だがお金持ち学校なのだろうか。
二人部屋なんてお金勿体ないと思うのだけど。

交流が目的ならそれこそ大部屋を使わせてもらうべきだろうに、あほか。

『だってお前煩いじゃん』

「静かにしてたら梓ちゃんじゃないよ?!!!」

『大丈夫、どんなお前でもお前は梓ちゃんだから』

「違うっ!!!ちょっと嬉しいけど違う!!!!」

『はいはい』

「ウウッ……」

ピリリリリリ
そろそろ相手をするのが面倒になってきた頃、丁度良いタイミングで電話がかかってきた。

『もしもし』

「もしもし??俺だよ清子元気―???」

『俺俺詐欺は間に合ってますんで切りますねおやすみなさい』

「ちょっ、酷い!!俺だよ由孝!!!携帯に名前出てるよね?!!」

『あっこの前間違って消したままだったわ』

「酷いっ!!!!」

なんなの、この梓と同じノリの人。
まぁ、梓の兄貴なんだけどね。

『はいはい、それで何の御用ですか』

「いや、由孝寂しくなっちゃって」

『梓こっちに居ますもんね、静かでしょうし分からなくもないですよ』

「違うし!!!俺が言ってんのは清子に会えないからだし!!!」

『別にそっちに居ても会わないんだから変わらないと思いますけどね』

「相変わらず辛辣ねっ!!!そんな所も好きだけど!!!!」

『はいはいおやすみなさい』

「ちょっ……清子ちゃん?!…ブチッツ…ツー………ッツー……」

兄妹揃って好き好き煩いんですけどやかましいんですけど。

「今のお兄??ラブラブだねっ!!!でもお兄にも清子は渡さないんだからっ!!!」

どうして今の会話でラブラブだと言えるのか私にはよくわからない。
まぁわかろうとしても分からないのが梓だから今更気にしてないが。

『はいはい』

「酷いっ!!!」

ほんとやかましい。


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