「ねー清子―、折角の班だけど自由行動なんだからどこか行こうよー」
『頭に響くうるさい梓』
「ねー清子―。無理矢理起こしたのは謝るから、ね。機嫌直してよー」
只今絶賛、不機嫌である。
どうしたと言われてもどうもしていない。
至って私は正常である。
そもそもどうして校外学習なんて行かなければならないの。
ずる休みしようとしていたのに梓に念を押されてしまったので不発に終わってしまったし。
とりあえず私は不機嫌であっても怒ってはいない。
「清子……グスン」
『………はぁ。別に怒ってないよ梓』
梓が半泣き状態になってきたし真面目に相手してやるか。
私も少し大人げなかったと反省していますとも。
『ところで柳、そのノートは何??』
「これは企業秘密だ」
「これは個人情h……いえ。データですよ。あまり突っ込まないであげて下さい」
うん、個人情報なんだね、わかったよ柳生。
私見ちゃったわ。
個人情報って言おうとした柳生を開眼して制してる柳見ちゃったわ。
そんな恐ろしいもの見たら突っ込む事なんか出来るわけないじゃないか恐ろしい。
『う、うん』
「清子――!!!!柳君に柳生君!!!早く行こうよ!!!!」
『梓も煩いし早く行こうか』
「そうですね、行きましょう」
その後は、庭園→美術館→遊園地の順でのんびりまわった。
その間、すれ違う女子が柳と柳生を見て黄色い声をあげていたが、それ以上に梓の騒ぐ声の方が煩かったので結果相殺されていた。恐るべき梓、煩いぞ梓。
どの道疲れた一日であったことに変わりはなかったのだが。
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