「そういえばお兄が清子に会いたがってたよー」
帰宅中、私と梓は帰り道が同じなので最寄り駅で降りてからも一緒に歩いている。
森山家には何度か遊びに行ったことがあるが所在はすっかり忘れていたので電車を降りてからも一緒でとてもげんなりした。
だって煩いし。
『一昨日会ったばっかりだけど』
道端で偶然会いましたが。
「毎日会いたい会いたくて会いたくて震えるって言ってたけど」
『一生震えてろ』
そしてそのままマナーモードになるがいいさ。
「冷たいな―そんな所も好きなんだけどねっ!!!!!」
梓には彼氏が居るのに私に対して好き好き言い過ぎだと思う。本当はレズなんじゃないだろうか?本気で心配である(私の身が)。
『あーはいはいそうですね』
「てきとうっ!!!!」
『ちゃんと聞いてるわよ』
「嘘だぁ―!!あ、後さぁ清子一人暮らし始めたじゃん??それで黄瀬君の家の隣に住んでるって本当???」
ほんと話題変えるのうまいよなー。
『本当だよ、なんか居ても居なくても変わらないと思うけど隣が知り合いの方が安心だろうって』
「まじかwww清志君も過保護だねぇwwwww」
『清兄は過保護過ぎだと思う』
そうなのだ、何故かあの今を時めくデルモとお隣さんになってしまった。
私の住んでいるマンションは海常と立海の中間地点にある。
黄瀬家の両親とうちの両親(+清兄)が決めた様だった。
娘の一人暮らしが心配なのはわかるがあんなひょろっちぃデルモ一体居ようが居まいが変わらないと思う。
寧ろデルモのファンに目撃された方がタダじゃおかない感半端ない。
いやぁだ怖い。
「あ、もう家着いちゃった。もっと清子と一緒に居たかったよぅ」
明日も会えるのに、というか明日からどうせ金魚のフンの如く着いてくる気満々の癖してなんなんだまじで。
『はいはい、明日学校でね』
「冷たいっ!!!!」
『早く家入れよ轢くぞ』
「ごめんて」
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