07.



“しばらくしても痛むようならまた保健室へ来てね”と、保健委員の善法寺先輩に言われ現在は尾浜君、久々知君のお部屋にて事情を説明していただいております。

「初めに、今まで助けてあげられなくてごめんね」

「すまなかった……」

『いや、いいんですよ。元々二人が私を助ける義理なんてありませんし』

「もうっ!鉄丸先生じゃないけど少しくらい俺等の事信用してくれても良いんじゃないのー勘ちゃん悲しいっ!!」

そんなこと言われましても……。

「とりあえず説明は聞いてほしいのだ」

「あのね…」

まとめると。

一年生の頃から私が苛められていたのは知っていた尾浜君と久々知君ですが、私の圧勝だったので自分達の役目は無いだろうと見守る事にしたようです。

しかし2年になった際に人数は増え、忍術を使わないまでも私が怪我をすることが多くなったので接触するようになった、と。

自分達が出来るのは傷の手当てと少しの注意くらいだった、申し訳ない。

なんて謝られてしまいました。

別に気にしていなかったし、手当てを手伝って下さっただけでも充分嬉しかったのに。

そして3年。
遂に忍術で私を傷つける輩が出てきた。

流石に見過ごせるわけも無く、どうやって先生へ報告するかという計画が出て実行、今に至る。というようでした。


私の知らない所で彼等が動いて下さっていたなんて……なんとも言い難い気持ちが溢れて止まないのですが。

『私なんかの為にありがとうございます』

「あーもーっ!!なんでそんなに他人行儀なわけ??同じ組の仲間でしょ??まぁ、今まで同じ組の奴に苛められてたわけだから複雑かもしれないけど」

「同い年なんだし敬語なんかいらないぞ??」

「雷雲さんのペースでいいから、少しずつ俺等の事信用してくれると嬉しいな!!」

彼等の笑顔は太陽の様に明るく私の心を温かくして下さいました。

彼らなら、彼等の事なら少しくらい信じても良いんじゃないか、とも思いました。





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