05.


そんなある日、いつものように同級生数人に囲まれていました。

今までのように辺りに人気はなく、彼らの声だけが妙に響いていたように思います。

「なぁ、なんで毎回毎回ボロボロにしているのに辞めねえの??」

「俺等に殴られて辛いでしょ???我慢なんかしなくて良いんだよ」

「そうそう、自分の里へ帰って母様と一緒に暮らしていた方が平和だよ???」

「どーせ忍者になったってすぐに花を散らせてしまうよ。それなら早々に諦めてお家の繁栄を望んだ方が君の家の為じゃないの」

よほど疲れていたのでしょう。

普段なら我慢できていたのかもしれません。

でも、こればかりは許せませんでした。

『………る』

「え??何???聞こえないけど????」

「辞めますって??だったら俺等じゃなくて学園長先生の所へ行くべきだよ」

「なんなら付いて行ってあげようか」

『ふざけるなっ!!!!貴様等に私の何が分かると言うの!!勝手なことを言って許される事と許されない事があると習わなかったのか!!!この屑共』

普段は黙って言われっぱなしの私が怒った事で周りは驚いたようである。

でも、何も知らないこやつ等に好き勝手に言われる事が許せなかった。

家族の為に??お家の繁栄??幸せに???

すべて散ってしまった故、生きる為に忍者になろうとしているのに!!!

出来る事ならそうしたかったさ。

でも出来ない私の気持ちが分かるか!!!!


気付いたら人数も気にせず殴りかかろうとしていた。





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