01.今は戦乱の世。 私(わたくし)の家は代々伝わる大国の大名一族。 アキアカネ城という立派な城を構え、申し分ない民と兵を持った平和な国でした。 でも、落城した。 この時代、大国の落城なんてなんら不思議な事ではなかった。 だから仕方ない。 アキアカネ城の姫である私が、兄と二人だけになってしまっても仕方がない事だったのだ。 秋茜の性を捨てなければならないのも仕方のない事。 今は生きていく事だけを考えなければならない。 そうだ、忍びに。 忍びになろう。 私の家族を民を兵を国を殺した忍びになろう。 そうすれば、自ずと見えてくるはずだから。 私の判断が間違っていたのか、そうでなかったのか。 → (2/13) 前へ* 目次 #次へ栞を挟む |