短編(krk) | ナノ

『ええと……テーピングよしスポドリ……はこれか』

「……お前は」


都内の某巨大スポーツショップで買い出しメモと格闘していると笠松さん率いる海常の面々に会いました。

『こんにちは笠松さん。………お疲れですか???』

そうなのだ笠松さんの顔がいつになく死んでいた。
私も大概疲れているがそれを超越するような、あれなんて言うんだっけ???
目が死んでる。

「あっ……ああ。だだだ大丈夫………だ」

どもりは健在のようだけどそれと他にやはり疲れきっている。
その疲れ隠せていませんよ。

『全然大丈夫そうじゃありませんよ??私でよければ相談に乗りますが……』

「いや、その……あの……」

「笠松大丈夫か??五十鈴ちゃん元気そうだね。買い出しがてら俺とデートしない??」

森山さんは相変わらずの様である。
少し、いや相当疲れているみたいだけど。

『いえ結構です。森山さんも疲れているみたいですがそんなに部活キツかったんですか??』

普段残って練習している面々である事は十分承知だが、原因が他に考えられなかったのだ。
うちじゃあるまいしホモに困るなんてこと無いだろ。

「そ、そうだな部活。きょ、今日はいつもよりキツかったんだわっ…な、森山」

「お、おおう」

あったわ。
見ちゃったわ。
笠松さんと口裏合わせる際ちらっと黄瀬達の方見た森山さんを。

視線の先には明らか高校生男子のべたつきを超える光景が広がっていました。
どうして気付かなかったの私。


普段から見慣れた光景過ぎて気付かなかったとか何それ死にたい。

『……はぁ。単刀直入に聞きますが奴等はデキてますね』

「Σ!!」

「い、いや……あれはちょっとじゃれてるだけで……」

部員の恥を隠そうと必死な笠松さん素敵です。
私も見習いたいけど多分無理ですわ、森山さんの反応が妥当です。

『心配なさらずに、ホモなんて見慣れてますから言いませんよ。誠凛来ますか??』

「「!!!」」

ワンフレーズですべてを理解して下さったようだ。
勘のいい人間は好きよ、私。


『ところで皆さんは何しに東京まで??』

「あー………せっかく東京来たんだからこっちのスポーツ店にも行こうかって話になったんだよ」

「買い出しも兼ねてね」

『そうですか……これじゃあ捗らないですね』

「ああ……仕方ねぇから、今日は帰ろうかとお、思ってよ」

『……私に考えがあります。先輩方はこちらに居て下さい』