誰かどうにかしろ



「監督はね、大の可愛いもの好きなんだよ」

未だに私について熱く語っているリコさんから距離をとって治まるのを待っていると伊月さんがため息交じりに教えたくれた。

………おうふ。

私が可愛いとかそれ幻覚ですけど。

『止められないんですか???』

「……ああ。こうなった監督は終わるまで止まらないからしばらく放置するに限るよ。それまで俺と話さないか優子ちゃん。ハッ、長話が放してくれないっktkr!!!」

『はぁ……』

ええと、これはどうしたらいいんでしょうか。

「伊月黙れ」

スパァァアン
「痛いな日向。何もハリセンで叩かなくたっていいじゃないか」

「困ってんじゃねぇか。他校のマネージャー困らせんじゃねぇよ」

救世主が現れた、だと?!!!
なんだこのイケメン

「あー……なんかすまなかったな。こいつ等に悪気はねぇんだ、多分」

“日向順平、一応部長やってるよろしくな”

この救世主様は部長さんでしたか。

にしても何処からともなく溢れる笠松先輩臭。部長ってみんな苦労人なのかしら。
いや、サトリはそんなことなさそうだし気のせいか。

『こちらこそよろしくです。それでいつになったら本題に入ってくれますかね??』

てか私ここに居る意味ありますかね???無いなら帰りたいんですけど。

「ちょっと待っとけ……」