監督に拉致られました



「緑間さん」

『はい??ああ、誠凛の監督さん』

お父さん(残念)に許可を取ったようで監督の相田さんが私を誠凛ブースと化しているスペースへ連れてきた。

残念(お父さん仮)に許可取る前に私に取りましょうよ。

「あれー??監督、緑間の姉連れてきたのーー???」

間違ってないけど。間違ってないけどなんか姉って言われ慣れないなーー。

『緑間優子です。紛らわしいので下の名前で呼んでください』

“私の事も名前で呼んでね優子ちゃん”と、監督。
美人な監督さん羨ましい。

うちの監督なんか……比べちゃいけない存在ですねごめんなさい。

「にしてもどうしてこの子連れて来たんだ??」

そうですそれ、私も気になっていたんです。
わざわざお父さん(残念)にまで許可取って完全殺人でも目論んでいるんじゃないかほどの用意周到さに若干引いていたんですよ。

「それはねー、ふふん。この子の能力に興味があったのと予想以上に可愛かったからよ!!!!」

バァアアアン!!!!
とでも効果音が付きそうなドヤ顔してますけど大丈夫ですかリコさん。
全く意味が分からないのですが。

誠凛の皆さんは“またか……”みたいな顔してるけどなんなのこの人これが通常運転とか言う気????

やだ誠凛怖い。